私が追い求めているテーマは多々ありますが、最も根源的なテーマは、「生きがいとは何か?」「幸福とは何か?」というテーマです。
「生きがい」に関しては、
『生きがいについて』(神谷美恵子著/みすず書房)
というそのものズバリの名著で、その何たるかを知るにいたりましたが、「幸福」については、各種『幸福論』など数多の本を読みましたが、未だに私にジャストミートするものはありません。
しかし、遂に今日巡り合った気がします。
それは、以下のフレーズです。
【引用開始】
「ひとは誰ひとり死ぬるであろう」(パスカル)
死は一般的であり、生はつねに特殊的なものである。
死は一般的なものという意味において観念と考えられるに対して、生は特殊的なものという意味において想像と考えられる。
生が想像的なものであるという意味において幸福も想像的なものである。
個性とは別にタイプがあるのではなく、タイプは個性である。
死そのものにはタイプがない。
個性は多様の統一であるが、相矛盾する多様なものを統一して一つの形に形成するものが構想力にほかならない。
生と同じく幸福が想像であるということは、「個性が幸福である」ことを意味している。
自然はその発展の段階を昇るに従って益々多くの個性に分化する。
そのことは闇から光を求めて創造する自然の根源的な欲求が如何なるものであるかを語っている。
「人格は地の子らの最高の幸福」(ゲーテ)
この言葉ほど、幸福についての完全な定義はない。
幸福になるということは人格になるということである。
【引用終了】
いかがでしょう?皆さんはどうお感じになりましたか?
私には衝撃的なフレーズでありました。
高校時代に読んだ亀井勝一郎の『恋愛論』で初めて知った「邂逅」という言葉がピッタリです!
ところで、これ、誰の何という本の一部かわかりますか?
これだけでお分かりになる方がいらっしゃれば、私は無条件にその方を尊敬いたしますよ。
その本は、
『人生論ノート』(三木清著/新潮文庫)
です(^-^)。