『17歳のための世界と日本の見方』(松岡正剛著/春秋社)
セイゴオ先生の2年前に出版された本です。
ひまつぶしのつもりでパラパラと眺め始めたら、意外に面白くて一気に読んでしまいました。
43歳でも十分にためになりました(笑)。
逆に、私たち大人こそ、改めてしっかりした「世界の見方」を身につけないといけませんね。
<備忘録>
●「ゾロアスター」のドイツ語名が「ツァラトゥストラ」
●道教「万物斉同」→ちがいを超えなさいという意味。何もかもが結局は似たり寄ったりのことなのだから、むしろ何もよけいなものを加えないほうがいい。「無」を重視する見方。
●空海「生まれ生まれ生まれ生まれて、生の初めに暗く、死に死に死に死んで、死の終わりに冥し」
●欧米の“契約社会”のそもそもの根源にあるのが、ユダヤのヤハウェとモーセの契約
●イザナギとイザナミの最初の子供が「ヒルコ(蛭子)」(水子)で、これが商売の神様のエビス(恵比寿)様
●聖徳太子「唯仏是真・世間虚仮」(世界は虚構であるというニヒリズム)
●仏教では浄土というのは東西南北それぞれにあるとされていた。東には薬師如来のいる瑠璃光浄土、西には阿弥陀如来のいる極楽浄土、北には弥勒菩薩の管理する浄土、南には釈迦如来の浄土が想定されていた。日本人は、阿弥陀如来のいる西方極楽浄土だけをやたらと好んだので、たくさんの阿弥陀堂とか阿弥陀像がつくられた。
●「冷えさび」 「すさび」がいっそう突き進んで、今なお、これほどの美学はないのではないかと思えるほどのコンセプト。冬ざれの風物をこそ美しいと感じるような美意識。
●パスカル 「人間の小さなことがらに対する敏感さと、大きなことがらに対する無意識は、奇妙な入れ替わりを示している」
●日本はいつも「漢」と「和」の両立に匹敵するような、「和」のアマテラスと「荒」のスサノオに象徴されるような、そういう二つの軸で動いてきた。縄文型/弥生型、公家型/武家型。都会型の「みやび」/田舎型の「ひなび」などたえず対照的に発展してきた。バロック的。