ドイツ人研究(その1)

ただいまドイツ人の研究にいそしんでます。

かなり古い本ですが、

『七つの資本主義』(C・ハムデン‐ターナー、A・トロンペナールス著/日本経済新聞社)

からわかった「ドイツ人」像です。

今の日本人はやはり偽ドイツ人じゃなくて、偽アメリカ人なんだな~と思います。


<ドイツ人の特徴>

●「国家によらない共同社会主義」 企業活動の目的はもはや利潤の最大化ではなく、社会にできる限り多くの貢献をすること。

●目標合理主義

●ドイツ人は規則や法律といった普遍的な規約に囲まれて生活している。

●英語圏の経済では常識となっているような公的部門と私的部門を鮮明に区別するのではなく、大陸公法の伝統に則ったドイツには、公益と私益を調停する任務を帯びた中間組織が数多く存在する。

●1945年以降のドイツを持続的に進歩させているものこそ、二重の普遍主義概念、すなわち連邦レベルにおける自由競争の枠組みと、地域レベルで地元の企業に優位性をもたせることを目的として試みられるさまざまな政策や技術、規則面での社会的実験なのである。

●ドイツ人は混沌に至るさまざまな隠された道に精通している。

●ドイツ人はたいへん生真面目な道徳観の持ち主である。彼らは文化をおおいに敬うし、職業は単なる仕事というよりは天職である。概して文化はエリートのかっこつけでもなければ、少数の好事家が楽しみにふける対象でもなく、ドイツ人の共有する価値体系に組み込まれており、文明に対する不滅の賜物とみなされている。文化をその地域の道徳的精神的情報的インフラストラクチャーの一部としてみなす全体的な文化観に立つ。

●ドイツ人は人間と環境とに一体感を抱いている。

●技術の完成を目指して耐久生産物によって社会への貢献をかなえる機会が絶えず存在することに比べれば、利潤の追求は、程度としてもささやかなものでありほとんど評価されない。

●ドイツ人の私的空間は非常に大きく、その外に広がる公的空間は小さいしそれすら相対的にみて近づきにくい。ただし、仲良くなると一生付き合う。

●そのくせ、ドイツ人の88%という多数が、集団に参加することを好んで一人で働くことを拒否している。

●ドイツの管理職は「あくまで合意を求める」のに対して、英米の管理者は採決の場で勝利を収めることを好む。

●ドイツ人は肩書きを血眼になって求める。

●ドイツ人の本性には二つのくっきりと分かれた側面がある。一方で彼らは豊かな内面的生活、情緒と観念論とプライバシーと深密さと感受性の世界に心底から引かれている。友情もこの世界に属する。他方で、ドイツ人はきわめて実際的で野心家である。

●「良い」「悪い」とか「成功」「失敗」とかの評価は意味をもたない。労働階級の若者のほとんど全員が、自分が有用であると感じ誇りをもって貢献することのできる適所を見出している。

●ドイツでは従業員の70%が仕事上の資格を有している。

Posted by simfarm at 2008年09月07日 15:36