TOMORROWLAND丸の内店が開催したGAZIANO&GIRLING（ガジアーノ＆ガーリング）のパターンオーダー会に行ってきました。
GAZIANO&GIRLINGを知っている人は本ブログ読者の3％くらいだと思われますが、現在世界で最も注目されている新進気鋭のドレスシューズメーカーです。
今回のパターンオーダー会はとても気合いが入っていて、GAZIANO氏、GIRLING氏の両人が直に足の計測をしてくれることに加え、全40足の靴の型、5種類のラスト（木型）、D・E・Fの3種類のウィズ、靴には大変珍しいピッグスキン（豚革）も含まれた35種類の素材×色など、バラエティが計算上は2万1,000パターン（！）という、とんでもない選択の自由度でした。
完全予約制の限定20名。
中には九州からオーダーにかけつけた靴フリークもいたそうです。
1月の中旬に案内をもらってからさんざん悩んだ挙げ句に、私が選んだのは、内羽根式コンビネーション・フルブローグの「ASTAIRE（アステア）」というタイプ
「ASTAIRE」
どうです、かっこいいですよね〜♪ すごく！
上（↑）の写真のプロトタイプでは、牛革のスコッチグレイン（型押し）とスウェードのコンビネーションとなっているのですが、私はあえてスコッチグレインのところを今回の目玉のピッグスキンに変更して、世界に一つだけの仕様にしました。
下（↓）の写真で「ASTAIRE」の手前に写っているのが全部ピッグスキンを使用したローファーです。3本分の毛穴がワンセットとなった面白いパターンの表皮となっているのがおわかりになりますか？
使用される革は、J＆F.J.ベイカーという英国の2,000年以上（！）の歴史をもつタンナーがなめした革で、既成靴で使っているのは世界中でGAZIANO&GIRLINGだけだそうです。
フィッテングで、私を担当してくれたのは天才靴職人のGIRLING氏。
仕事に対する強いこだわりを随所に見せつつも、とても気さくな方でした。
足を計測してもらっているところ
私の足型のスケッチを持つGIRLING氏
私の足はかなりの甲高で、フィッティングは難しいようでしたが、最終的にレングスが7H（Seven and Half）、ウィズがFと、青山ストラスブルゴで開催されたEdward Greenパターンオーダー会のフィッティング職人による測定と一緒の結果でした。
「グッドイヤーウェルテッド製法なので、履いているうちに沈み込んだり、革も若干のびるため、最初はキツく感じられるが、沈み込んで抜群のフィット感を得られると思う。とはいえ、出荷の前に少し甲の革をのばしておくよ」とのこと。
昨日は私の保有靴の中ではダントツに履き心地の良いBerlutiを履いていったのですが、
「Berlutiもいい靴だけど、きっと私の靴のほうが履き心地はいいよ！」
と自ら太鼓判を押していたのがとっても好印象でした。
最後にGIRLING氏と一緒にパチリ
出来上がりは6ヶ月後の8月初旬とのこと。
今から本当に本当に楽しみです（＾-＾）。
＜おまけ − GAZIANO&GIRLINGの靴はこんなところもすごい！＞
ヒール
普通のヒールは寸胴なのですが、「ピッチドヒール」というテーパード（先細り）のついた美しいヒールになっています。これはビスポーク（オーダー）靴で採用される仕様で、既成靴で採用しているのはGAZIANO&GIRLINGだけです。
ソール
土踏まず部が思いっきり絞り込まれていて（このつり込み技術が世界最高レベルだと言われています）、それはもう美しいの一言。
中央部の黒い部分は左右方向に美しく面取りされています。この仕様を「フィドルバック」といい、石畳での歩行をスムースにする効果が高いのですが、大変高度な技術が必要で手間もかかるため、こちらも既製靴では滅多にお目に掛かれません。
◆GAZIANO&GIRLINGの参考記事
＜GAZIANO&GIRLINGインタビュー＞
「OPENERS - 英国靴の雄ガジアーノ＆ガーリングインタビュー | DESIGNER’S FILE」
http://openers.jp/fashion/designers_file/gandg01.html?yfn
＜All About「靴」でも大注目されていました！＞
「Gaziano&Girlingのパターンオーダー受注会 | All About「靴」」
http://allabout.co.jp/mensstyle/shoes/closeup/CU20090125A/
