『Hot Pepper ミラクルストーリー』(平尾勇司著/東洋経済新報社)
出版されてから時間がたってしまいましたが、おくればせながらご紹介します。
平尾さんはご存じ「Hot Pepper」を創業し、300億円事業に育てた伝説的な“経営者”です。
リクルート出身者の中でも、もっともリクルートDNAを持った人だと思います。
これまで出版された数多の「リクルート本」の中でも出色の本だと思いますので、ぜひご一読を。
<私が自分の読書録に引用した箇所>
別に新しいことはおっしゃっていませんが、「本当に実行した」人の言霊には力があります。
●『Hot Pepper』の大きな事業ビジョン→「クーポン文化を醸成しデフレスパイラルを止めて日本の街を元気にする」
●事業は物語である
●リーダーとは物語を語る人だ
●じつは「実行しない」ことこそ、事業が成功しない最大の原因である
●「リスクを負って勝負をかける」→事業がうまくいかない原因に「じつは勝負していない」ことが多い
●「見えないものを見に行くチカラ」が必要となる。それは構想力だ。それは机上の空論ではなく、見たこともない、経験したこともないことをあるかのごとく描き出す力だ。やってみないとわからないことを、あたかもやってみたかのように描き出す構想力が必要だ。
●誰でもできる仕事の仕組みをつくって、結果は「やったか?やらなかったか?」だけだ。「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」の差にしてしまうことだ。
●数字から絶対に逃げない組織をつくらなければならない。数字に意味と価値を見い出す組織をつくらなければならない。
●戦略はエッジの利いた短いフレーズで表現されなければならない
●「どうやるか?」にはやりたくなるしかけが必要なのだ。「〜ねばならない」「〜すべき」を「したい」に変える仕組みが必要だ。
●顧客接点の第一線が日々の活動のなかで創り出す競争優位性ほど盤石のものはない。競争優位性は日々の仕事のなかにビルトインされて、組織として繰り返される仕組みになっていなければ盤石とはならない。
●営業コンサルタントがセールスフォース理論とかを指導し、大企業ほどこの営業フォースの罠にはまって導入して失敗する。それは間違っている。シンプルと単純を履き違えている。顧客接点の価値はひとつひとつの熟練度も大切だが流れのほうがもっと大切なのだ。分業化すれば流れは切れて、モチベーションも切れる、そして、本来の目的が切れて、今度は切った業務間のコミュニケーションに莫大なエネルギーがかかる。だから、逆に非効率になる。
●実は顧客ニーズは多様化していない。つくろうと思えば、型は集約されていく。(たとえば)3つの型に絞ることが戦略である。「あってもいい」を捨てる勇気と覚悟が必要だ。