プリウスの記号変容

本日届いた「日経消費マイニング」8月号に興味深い記事がありました。

「特集2 ガソリン高騰で進むマイカー族の「日常回帰」」
という特集の中に、今年1月と7月の2時点を比較した、乗用車の選択基準の増減データが紹介されています。

<増加した選択基準>

「燃費の良さ」(32.8%:+12.9ポイント)
「価格の安さ」(21.8%:+6.6ポイント)

<低下した選択基準>

「乗り心地」(4.5%:▲6.4ポイント)
「環境への配慮」(0.5%:▲5.7ポイント)
「メーカー」(3.8%:▲5.3ポイント)

この半年で、車はブランドを見せつける記号でも、快適な乗り心地を楽しむものでもなく、地球環境に関しても「それどころではない」、単なる「足」になるつつあると分析しています。

トヨタ自動車も、

「今やプリウスは、オーナーの環境志向を見せつける記号ではない。燃費の良い実用的な車として売れている。」

とコメントしているそうです。

こうやって考えると、「環境配慮」「エコ」という記号の消費は、多分に有閑的な衒示消費(ウェブレン)であるのかもしれず、今後しばらく続くであろうデフレ経済の中では「経済性」に焦点が当って、「環境性」への意識は減退するのかもしれませんね。

Posted by simfarm at 2008年08月10日 13:00