『されど“服”で人生は変わる』

ファッションは時代を映す鏡です。

私が公私でお付き合いしている人の中でも、“できる”方々はおしなべてオシャレで尖っています。
マーケターなのに“ファッションにうとい”、もしくは“ファッションセンスがない”なんていう化石みたいな人たちもいらっしゃいますが、そういうマーケターは信用しないほうが懸命ですよね。

さて、女性向けのファッションの本ですがものすごく共感した本がありましたのでご紹介します。

『されど“服”で人生は変わる』(齋藤薫著/講談社)

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下記に私がとても共感したり勉強になった部分をピックアップしました。
男性のファッションは女性よりも3年遅れていると言われておりますが、男性にもあてはまることが満載です!


【読書録】

・私たちが見逃しているいちばん大きなことは。男も結局、“頭のいい女”が好きっていう事実である。誰かを好きになる上で、“頭がいいこと”は、言わばひとつの大前提。
・社会的な偏差値を証明するのは、結局のところ“会話”と“見た目”だけ。ゆえに“愛され服”こそ、むしろ“頭が良さそうに見える服”、でないといけない。もちろん“頭が良さそう”には“可愛さ”もしっかり組み込まれている。四角四面のストイックなだけのファッションでそういう頭の良さが伝わるはずもない。むしろ“センスの良さ”こそ“頭の良さ”。“頭の良さそうなこと”こそスタイルがあること。頭が良さそうなコーディネートこそ、目に見える“洗練”なのである。
・人って、オシャレすればするほど“ヒマそうに見える生き物”
・(男は女のファッションに)何を望むのか?言うまでもなく“女として優れていること”である。頭の良さはもちろんだが、家のことも、人付き合いもうまい女であること、そして生きることそのものが上手な女であること。そこを見ているのだ。だって一生一緒に生きていくことになるかもしれない女だもの。女として、人間としても、優れていたほうがいいに決まっている。
・オシャレにおいて、いちばん頭の良さを香らせるのは、服よりも小物が目立つコーディネートかもしれない。ちゃんと考えて服を着ていて、誰とも一緒じゃない自己表現ができて、しかもその自己表現がさりげない・・・・。“シンプル服+小物”は、いわゆる“地味派手”の究極の形で、私ってこんなにスゴイ女よという自己顕示欲にはつながらないように、極めて優れた自己表現をする。そしてもうひとつは色づかい。モノトーンはいちばんデキそう。黒のシンプルな服がどこまで美しく華やかに見えるか。そこも、その人がもともと持っている知性の量に関わってくる。そしてまた配色の美しだけで見る人をハッとさせられるセンスは、やっぱりデキる女だけのもの。色づかいの上手は、ある種数学的な頭のよさを想像させるのだ。
・キレイな人って、早い話が“鏡を人よりたくさん見る人”、“人より多く化粧直しする人”
・ハッとするほどステキな人は、どの人も服自体は不思議に地味だったりする。
・派手な服ほど、そこにハッキリと、洗練なり斬新さなりがないと、逆にまったくパワーがなく存在がかすんで見えたりする。派手な分だけ、安っぽくみえるからである。人が着てこそ華をもつ服が洗練のある服だって覚えていて。
・オシャレは、永遠に答えの出ないナゾ解きみたいなもの。
・人が欲しがるものをイチ早く手に入れるパワーや、それを所有している自信が、やっぱりそれだけで女をエネルギッシュに見せ、周囲を圧倒するのは確か。パワーあるブランドものは、それをもつ人にもある種のオーラをもたらすことがあり得るのだ。同様に、今年のトレンドを誰よりも早く取り入れた人にも、同性を打ち負かすオーラがある。
・カジュアルがうまいことは知性の証明である。
・ネイビーは“女も納得させる男受け”の決め色なのである。
・オシャレとはある種、勇気がいるもの。いや、勇気のある人ほどオシャレだし、まだどんどんオシャレになっていく。
・“きちんと”ほど人をキレイに見せるものはない。
・“目上受け”のキモと言ってもいい清潔感と、年下受けのキモである今っぽさ、この両方を持ち合わせていることが、今の王道服の大切な条件なのだ。
・“本命服”の3大条件:「色がキレイなこと」「シルエットが美しいこと」「上質なこと」
・見ていて気持ちが明るくならない服、とっておいたらいつかまた着られるだろうと捨てられずにいる服を、思い切って捨ててしまおう。
・トレンドは“一部取り入れる”ような中途半端な形じゃなく、それこそ思い切って、目立つほどにトレンドして。中途半端だと、よほどセンスを感じさせない限り、おっかなびっくりに見えてしまって損。トレンドど真ん中の服を堂々と着た時、不思議なくらいに内なるエネルギーが湧いてくる。さすがは、時代を乗っけて走る電車。そこに乗ると、昨日までへとへとにくたびれていた人が、先頭きって走ってしまえる。
・良い買いものには、私たちが考えている以上の多大な効果が備わっている。
・雨の日こそめいっぱいのオシャレをするべきなのだ。本気を出して、“雨の日専用”の美しい靴を買う。“雨の日ファッション”は、ちょっと嫌味なくらいに完璧に、トータルコーディネートしておくこと。
・高度な色合わせができる人って、きっと相当に頭のいい、精神的にもバランスがとれた完成度の高い人に違いないと、直感的にこう思う。
・オシャレとは、早い話が人目を惹くこと。街ですれ違う人をハッとさせること。
・オシャレにおいて、本来絶対避けるべきことは、“年齢をもった服”を着ないこと。
・靴さえいいものをはいておけば、人間端正に見える。靴は“人間の種類”を足もとだけで決定してしまったりする。
・ちょっと“恥ずかしい”と思うくらいの服こそ狙い目。そういう服を、一瞬の勇気をもってエイッと着てしまうことがオシャレ。一度着てしまうと楽になる。自信もつく。次回はもっと堂々と胸を張って着られる。だからもっと似合ってしまう。
・“街でひとり目を惹く人”は、必ず何かを一点外していて、それが目を惹き、それが忘れられないほどカッコよかった人なんじゃないだろうか。
・“センス”って、辞書を引くと、“思慮”とか“分別”って書いてある。言いかえれば、“恥”の意識そのもの。センスがあるって、要は場面場面で、誰に対しても恥ずかしくない自分を作り、相手にも恥をかかせない自分を作る知性そのものなのだって、早く気づいてほしい。
・デニムが、ここまでファッションの軸になったのは、デニムがオシャレにおける唯一の“ブレーキ”だからだろう。デニムは毒をもって毒を制して“粋”をつくる、たったひとつの引き算アイテムなのである。重要なのは、デニム以外は多少トゥーマッチなオシャレをしていること。少なくとも華のある服を合わせないと、デニムは“労働着”になり下がってしまう。
・今のデニムはハッキリ言って、やせて見えなきゃ意味がない。体の細さ、長さを強調するデニムだけが美しいのだ。
・必ずスタイリッシュに仕上がるのは、黒をカジュアルに着る装い。
・“シーズンミックススタイル” 明らかに異なる季節のアイテムを、思い切ってひとつの体にコーディネートするのが今最高に高度なオシャレ。
・今はTPOがあってないような時代。確信を持った場違いが、“洗練”に見えることも少なくない。

Posted by simfarm at 2009年04月26日 21:53